この2つの柱をもとに、児童にも分かりやすく、視覚的にもそれぞれの手だての違いが区別しやすいように、マークをつくり、全校、そして全教科の授業で活用できるようにしました。

まず、マグネットを用いた授業です。
授業に設定した思考場面で、このマグネットを黒板に貼り、
何と何を比較するのか、どことどこを結びつけるのか、何を分類するかなどが、見えるようにしました。こうすることで、
児童にとっては、どのように考えればいいかが明確になり、意欲的に考える児童が増えました。また、その結果、どの児童も授業のねらいにスムーズに到達しやすくなりました。
次に、☆掲示です。廊下の☆掲示板を利用し、
各教科部ごとに、比較したり、分類したり、関連付けたりするための考えのヒントとなるようなのものや、言葉などをクイズ形式で提示しました。月ごとに変え、授業以外でも3つの手だてを子どもが意識できるようになりました。
3つ目に、言語を意識させるための工夫です。教室内に、☆授業中、☆児童が比べたり、結びつけたり、分類したりした場面で出た言葉をひろい、話型として各教室に残しておくようにしました。そうすることで、考えるヒントとなったり、人に説明したり考えを書いたりするときのモデルとなりました。
また、シールもつくりました。☆ノートやワークシートにある児童の記述から、☆比較したり分類したり、関連付けたりした部分を見取り、シールを貼って評価しました。そうすることで、児童に「こんな風に書けばいいんだ」「これが比べることなんだ」などと気づかせ、視点が明確になるようにしました。

これらの手立てについては、研究授業だけで取り組んできたわけではありません。日常の授業の中で、全ての先生が意識をして、実践を積み重ねてきました。
本校では、研究朝会を毎週行っていますが、そこで実践例を報告しあうことで、授業づくりについて切磋琢磨することができました。その結果、ベテラン教員だけでなく、若手教員も筋道の立った授業を意識できるようになりました。
研究授業は教科部を中心に検討してきました。また、研究授業だけではなく学校公開の授業でも手だてを中心にすえた授業を行いました。当日に向かって教科部だけでなく、
学年間でもたくさん協議をしながら授業をつくりあげることができました。☆このように、授業について話し合う場面を数多く設定したことこそが、研究を日常の中で当たり前のように行う学校の雰囲気をつくっていきました。
ここからは、実際に行われたいくつかの授業実践についてご紹介します。

まず、比較を取り入れた実践です。
6年生の理科「電気の利用」の授業です。手回し発電機で電気をつくり、豆電球とLEDに明かりをつけたり、モーターを回したり、電子オルゴールを鳴らしたりする学習です。

その際に、「電流の向き」という視点をもって比較することで、ものによって反応が違うことから、電気の性質について気付くことができました。

次に、関連付けを取り入れた実践です。1年生の算数科の授業です。

複雑な形でも2枚の色板を組み合わせた形とつなげて考えることで、形の構成に気付くことができました。
☆☆比較と分類の二つの手だてを取り入れた実践です。☆4年生の音楽科「旋律の変化を感じ取って表現しよう」の授業です。この授業のねらいは、旋律の特徴から想像したことや感じ取ったことなどを言葉で表すことで楽曲や演奏のよさに気付き、旋律の特徴にふさわしい表現の工夫ができるようになることです。

まず、なめらかな旋律とはずむ旋律の特徴に気付きやすい2つの楽曲を比較し、気付いたことを話し合いました。曲を聴いて感じ取ったことが様々な言葉となって表現されました。


その言葉を、さらにイメージを表す言葉と表現方法につながる言葉に分類し、感じ取ったことを整理しました。

児童が気付きにくい大切なポイントは教師が補い、表現につなげやすくなるようにしました。


☆整理したことを生かしてすぐに歌で表現し、友達と歌声を聴き合ったり、
☆歌い方を見て学び合ったりして、お互いの表現に生かしていきました。
☆☆次に分類と関連付けの二つの手だてを取り入れた実践です。4年生の国語科「文と文をつなぐ言葉」の授業です。この単元のねらいは、接続語の働きや使い方を理解し、意味のつながりを考えながら適切に接続語を使って、文章を書けるようになることです。

まず、20個の接続語を提示し、使い方ごとに仲間分けしました。

例文を考えてそこに接続語を当てはめてみたり、どんな場面で使うのかを考えたりしながら、友達と仲間分けする姿が見られました。仲間分けして整理することで、接続語の使い方の違いが明確になりました。

次に、☆☆接続語の働きを表した図を提示し、☆自分たちが仲間分けした接続語のグループと結び付けさせました。すでに、全体の話し合いの中で、「理由を言うときによく使うので同じ仲間にしました。」や「反対の意味で使う仲間で分けました。」などと接続語の働きについて意見が出ていたので、すぐに結び付けることができました。

 ☆☆授業の終末には接続語を使って自分の考えたことを文章に書かせました。文章を書いた後には、自ら前後の文の関係を確かめる姿が見られ、適切に接続語を使うことができました。授業の中で学んだことを、すぐに活用をさせる時間をとる事で、定着も図ることができました。
授業の終末には接続語を使って自分の考えたことを文章に書かせました。

文章を書いた後には、自ら前後の文の関係を確かめる姿が見られ、適切に接続語を使うことができました。

授業の中で学んだことを、すぐに活用をさせる時間をとる事で、定着も図ることができました。